EPISODE ofnir 「VS ANTI HERO」

nir 新作展示会
“VS ANTI HERO”


生活の中で生まれる些細なアイディアや発想を独自のデザインへと昇華し、
ハンドメイドでハイクオリティな物づくりに落とし込む、唯一無二のシューズブランド nir。


nirの物づくりは
主にゼロからデザインを生み出すオリジナルアイテムと、
nirのクリエイティブに大きな影響を与えた
“マスターピース”をベースにカスタムを施す、カスタムアイテムとに分かれています。


マスターピースの特徴を活かしつつ、
デザイン=カスタムを施す
深いスニーカーへの愛情と、クリエイティブに対する特別な想いを持つ同ブランドの新作展示会「VS ANTI HERO」が
ハウス@ミキリハッシンの応接間で開催されました。

“VS ANTI HERO” Image Visual / nir

“不理な「暴力」や「権力」への意思表示”


nirは本企画のテーマである“VS ANTI HERO”を思い立った経緯をこのように綴っています。

「今回の「VS ANTI HERO」というテーマは言葉を変えると「反暴力」です。
僕がこどもの頃から漠然と感じていた恐怖の話です。

たくさんの人が色々な事を感じ考えている中で、大なり小なり意見の対立が起きてしまうのは避けることができません。
それを暴力や権力などの実力行使でねじふせてしまうことに対して、どうしようもない無力さを感じてきました。
香港のデモをはじめ、世界各地で起きている「暴力」や、身近にも数多くひそむさまざまな「暴力」に対し、同じ「暴力」以外の方法でどうにか抗う事はできないのだろうかと考えていたのが今回のテーマにつながりました。

VANSの無骨で男性的なラインにあわせるために、スニーカー先端のラインにレトロフューチャー的な柔らかい曲線をひき、二つの相反するイメージが交じり合うようにデザインしました。
メリケンサックは指が入らないのでもちろん実戦には使えません。
素材に多く使ったミリタリーのアイテムは、半分を切り取りもう半分を浅草の職人さんたちが手塩にかけた皮革で同じものを作ってハーフ&ハーフにつなげました。

僕は暴力とは全く無縁でいたいと思っています。
認めたくないけれど避けることのできない不条理な「暴力」や「権力」にまきこまれずにいるための僕なりの無力な意思表示です。」

VANSを起用したことも繋がっていて、VANSのスニーカーといえば、スケーターに長く愛されてきました。
僕にとってスケーターとは、社会に迎合することなく、かといって社会からはじかれる事もなく、少しだけ社会からはみ出したグレーな存在です。
今回、あえて「暴力」というテーマを取り上げた時に、スケーターのグレーな存在感に親近感を持ち、VANSをベースにすることにしました。

navs low-tech/nir
twins backpack / nir

暴力や権力といった“不条理”に対して、
無力なことを知りながらも自らの意思を提示する行為は、
条理を掲げて立ち向かうこと=対立することが目的ではありません。

不条理の社会の中でも、自らが行動することは決して諦めない実直な態度こそ、
デザイナーであり、職人であるnirの、
表現に対するプライドを表しているように思います。

白/黒といった分かりやすい世界から一定の距離を保つ、
グレーな存在であるスケーターに“アンチヒーロー”を重ねた本企画を通して、
nirだからこそ表現出来る、
特有のクリエイティブバランスを感じて頂けると幸いです。


(2018年に開催された 展示即売会“customized by nir exhibition ZOMBIE BAG/PARASITE SNEAKERS”にてnirの紹介、カスタムスニーカーについても紹介しています。同展のエピソードも是非ご覧下さい。
“customized by nir exhibition ZOMBIE BAG/PARASITE SNEAKERS” http://house.mikirihassin.co.jp/episode/customized-by-nir-exhibition-zombie-bag-parasite-sneakers/)

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